「私と日本SF作家クラブ」ひかわ玲子

くるみ割り人形/白鳥の湖 バレエ名作物語 (集英社みらい文庫) ひかわ玲子 著

記憶は今も鮮明です、SF作家クラブに入会した時のこと。わたしは小説家としてデビューしたばかり。SF大賞の受賞パーティにどきどきしながら出かけて行きました。SF作家クラブへの入会推薦をしていただけることになったけれど、本当にわたしの入会が許されるのかしら、と気もそぞろ、でも、華やかなパーティの空気に圧倒され、周囲をきょろきょろと見渡しては落ち着かない気持ちでパーティの端に立っていました。

やがて、星敬さんがわたしに気がついてくださり、笑って、こう告げてくださいました。「大丈夫、さっきの総会で、入会が決まったよ。おめでとう、今日からSF作家クラブの一員だよ」

天にも昇る心地だった、とはこのことです。それももう、二十年近く前のことになりました。最近はパーティに行っても、少しばかり大きな顔をしてしまっているかも。初心忘れるなかれ、ですね。

最初の作家クラブの総会に出た日のことも覚えています。わたしにとってはきらきら輝いているようなメンバーのSF作家たちが目の前に座っていて、確か、小松左京先生もいらっしゃいました。その後、入会してきた友人の図子さんと、「総会で小松先生の生の声を聞けるだけでも、わたしたちって幸せかもしれないね」と。本当にそうです──今もたまに、夢のように感じます。SF第一世代、第2世代、と呼ばれる作家のお歴々は、いまだにお会いする度に緊張します。ここは、わたしにとっては魂の故郷です。

子供の頃には、憧れでした、SF作家クラブは。作家になることに憧れていた十代の頃の自分に、話してあげたい。あなたは、将来、SF作家クラブの一員になるんだよ、と。きっとすごく驚くでしょう。ミーハーにきゃー、と声をあげるかもしれません。

今のわたしは、作家クラブの総会に出ても、きゃー、と声をあげてはしゃぎはしませんけれど、どこかにその頃のわたしは、まだ、心の片隅に残っているかもしれませんね。